着物の宅配クリーニング完全ガイド!3つのタイミングで使い分けるコツ

着物のクリーニング
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「着物をクリーニングする時期はいつがいいのだろう?」という疑問を持つ方に向けて、最適なクリーニング時期と頻度についてお伝えします。

着物のメンテナンス時期を知ることで、大切な着物を美しく保ちながら、経済的な管理が可能になりますよ。

着物のクリーニング時期と頻度

着物

必要以上にクリーニングを行うと、着物に以下のようなダメージを与えてしまう可能性があります。

  • 生地の劣化が早まり、着物の寿命が短くなる
  • 着物の美しい色合いが失われる
  • 刺繍や加飾部分に緩みが生じ、デザインが損なわれる

では、着物を美しく保つための最適なクリーニング時期について、具体的な3つのケースに分けてご説明します。

1.着物を複数回着用する場合のクリーニング方法

1シーズン(約2~3か月)の間に数回の着用予定がある着物は、毎回のクリーニングは不要です。シーズン中は適切なホームケアで対応することをおすすめします。

ご自宅での丁寧なお手入れを行い、保管する方法で十分対応できます。シーズンの締めくくりにプロのクリーニングを依頼することで、着物を最適な状態に整えられます。

着物の種類と理想的なクリーニング時期

着物の種類特徴着用時期クリーニング時期
袷(あわせ)裏地付きの保温性がある仕立て10月~5月6月
単衣(ひとえ)裏地のない一枚仕立て6月と9月10月
薄物(うすもの)涼しげな透け感のある生地7月~8月9月

袷(あわせ)は年間で最も長く着用できる実用的な着物です。春から冬にかけて活躍する袷着物は、6月の衣替えの時期にクリーニングを行うことで、次のシーズンまで美しい状態を保てます。

2.長期保管前の着物のクリーニング方法

着物を長期間しまっておく予定がある場合は、1回の着用であってもクリーニングをおすすめします。着用時の汗や皮脂などの目立たない汗染みが、時間経過とともに着物を傷める原因となるためです。

黄変
黄変 引用:きものトトノエ

肉眼では確認できない微細な汚れが残ったまま保管すると、以下のような深刻な問題が発生する可能性があります。

  • 着物の生地が黄ばんでしまう「黄変現象」
  • カビの発生による生地の劣化
  • 染料の変色や色落ち

これらのダメージを防ぐため、長期保管前には専門家によるクリーニングで汚れを完全に除去することが大切です。

着用機会が少ないフォーマル着物

  • 振袖
  • 留袖
  • 黒紋付(喪服)
  • 訪問着

フォーマル着物は長期保管による生地の劣化を防ぐため、着用直後のクリーニングが不可欠です。数年間使用機会がない場合でも、大切な着物を美しく保つには、着用後の適切なケアが重要になります。

3.着物に汚れが付着した場合

着物に汚れが付着した場合は、シーズン終了まで待つことなく、速やかなクリーニングが必要です。シミや汚れは放置するほど生地に染み込み、除去が困難になるためです。

着物の部位別で気をつけたい汚れポイントは以下の通りです。

着物の部位発生しやすい汚れ
襟元化粧品(口紅・ファンデーション)
胸元飲食物の染み
背中汗染み
泥や土の跳ね返り

着物の美しさを長く保つためには、着用後の入念な点検が大切です。特に汚れが付きやすい箇所を重点的にチェックすることで、早期発見・早期対応が可能になります。

着物クリーニングの費用・日数

振袖

着物のクリーニング費用の目安について

専門店での着物クリーニングは基本的に、

5,000~15,000円程度

の料金設定になっています。着物の種類や汚れの程度によって料金が大きく変動することが特徴です。

特に振袖や留袖、訪問着といった礼装用の着物は手の込んだ仕立てや装飾が施されているため、一般的な着物と比べてクリーニング料金が高めになります。

着物クリーニングにかかる日数について

標準的なクリーニング処理には、

2週間~4週間程度

の期間が必要です。着物の状態や汚れの程度によって、作業時間は変動することがあります。

特に春の卒業式シーズンや秋の結婚式シーズンなどの繁忙期は、通常以上の時間を要することがあります。大切な行事に向けて着物を準備する際は、余裕を持ってクリーニングに出すことをおすすめします。

着物クリーニングの比較表とおすすめ2選

着物を取り扱っているクリーニング6社を比較しました。

会社名アライバきものトトノエ京都きもの友禅 リネット白洋舎ホワイト急便
ロゴきものトトノエ京都きもの友禅リネット白洋舎ホワイト急便
料金(税込)5,500円7,920~9,020円8,580~12,980円9,273~14,740円11,000~14,300円店舗:地域により変動
宅配:12,980円
送料利用者負担利用者負担利用者負担3,000円以上で無料無料
特徴どんな着物も料金一律
保管サービスもある
すべての工程が手作業
シミ抜きが得意
着物のレンタルや購入
で有名な専門店
初回は料金30%OFF
他の衣服も出せる  
大手のチェーン
店舗のみ対応    
店舗・宅配のどちら
でも対応
会社名のリンクから公式サイトに飛べます。

一般的なクリーニング店では洋服の取り扱いが中心で、着物は外部業者への委託が多くなります。そのため、追加料金が発生することがあり、かえって費用が膨らむ可能性があります。大切な着物のケアは、専門店による直接的な取り扱いが安心です

アライバ

アライバ
引用:アライバ

55年の歴史を持つアライバは、年間20万着もの着物を取り扱う実績豊富な専門クリーニング店です。全ての着物を一律5,500円で丁寧にクリーニングする点が大きな特徴です。

フォーマル着物のクリーニング料金は通常、振袖が10,000円以上、留袖と訪問着が8,000円以上と高額になりがちです。一方でアライバは、正装用の着物でも普段着の着物でも一律5,500円という明確な料金設定を採用しています。

冠婚葬祭で使用する大切な着物も、経済的な価格で美しく保てる点が魅力です。特に軽度の汚れであれば基本料金のみで対応可能なため、定期的なメンテナンスも気軽に依頼できます。

きものトトノエ

きものトトノエ
引用:きものトトノエ

有名呉服店からの信頼も厚いきものトトノエは、熟練の職人による丁寧な仕上げが特徴的な専門クリーニング店です。全ての工程を手作業で行い、一着一着に心を込めたケアを提供しています。

着物のクリーニング方法は店舗によって大きく異なります。機械による大量一括処理を行う店舗がある一方で、きものトトノエでは検品から仕上げまでの全工程を職人の手作業で実施しています。

職人技による丁寧な作業は、難しいとされるシミやカビの除去にも対応可能です。特に高度な技術を要する染み抜きや、繊細な生地の取り扱いにも定評があり、大切な着物の状態が気になる方に最適なクリーニング店です。

着物の基本的なホームケア手順

着物の陰干し

着用後の着物は適切なケアが必要です。クリーニングまでの期間、以下の手順で丁寧にお手入れを行いましょう。

  1. 陰干しで湿気対策
    直射日光を避け、風通しの良い場所で着物を半日から1日ほど干します。着物専用のハンガーを使用し、汗や湿気を十分に飛ばすことがポイントです。
  2. 丁寧なブラッシングケア
    着物の表面に付着したほこりは、虫食いの原因となります。専用ブラシで全体を優しくブラッシングし、ほこりを丁寧に取り除きます
  3. 重要箇所の入念なチェック
    着物の汚れやすい部分を確認します。
    ・襟元:化粧品の付着
    ・袖口:皮脂や水滴の染み
    ・胸元:食べこぼしの跡
    ・裾周り:泥や土の汚れ

汚れが見つからなければお手入れ完了です。汚れを発見した場合は、早急にクリーニングを依頼することをおすすめします。

クリーニング後の、着物の保管方法についてはこちら▼

番外編:着物の自宅洗濯について

洗濯機

着物の素材には絹、木綿、麻、ウール、ポリエステルなどが使用されています。家庭での洗濯が適している素材は木綿、麻、ポリエステルの3種類です。

特に注意が必要な素材は絹とウールです。これらは繊細な天然素材のため、自宅での洗濯により深刻なダメージを受ける可能性があります。洗濯時の扱いによってシワや縮みが発生し、一度生じた変形は元に戻すことが困難です。

そのため、絹やウールの着物は専門家によるクリーニングが安心です。プロの技術と経験により、着物の風合いを損なうことなく、安全に美しく仕上げることができます。

まとめ

過度な頻度でのクリーニングは、着物の生地にダメージを与える原因となります。着物を長く美しく保つには、適切なタイミングでのクリーニングが重要です。

着用後は必ず汚れの有無を確認し、状況に応じて専門家によるクリーニングを検討しましょう。この習慣を心がけることで、シミやカビの発生を予防し、大切な着物を理想的なコンディションで保つことができますよ。

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